日銀による景気の操作〜公定歩合
日銀は、銀行にお金を貸すわけですが、無料で貸しているわけではありません。利子をつけて貸しています。
この利子のことを公定歩合といいます。
さて、日銀は公定歩合を変えることで、日本の景気を操作していますが・・・なぜ公定歩合を変えることで日本の景気が操作できるのでしょうか。
ここでは基本を解説しています(教科書通り説明します)。
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日銀の公定歩合による日本の景気操作
日銀の公定歩合は、銀行の利子に影響します。
具体的には、日銀が公定歩合を下げれば、銀行の利子も下がります(逆に日銀が公定歩合を上げれば、銀行の利子も上がります)。
さて、あなたは会社の経営者で新しく工場を作りたいと思っていたとしましょう。
新しく工場を作るには、大金が必要ですよね。
会社の利益だけで工場を作れればいいのですが、普通は資金を用意できないので(それ以外にも税金対策もありますが)、銀行から借入して工場を作ります。
借金をするにあたり気になるんは、銀行の金利。
大金を借りることになるので、できるだけ金利が低い方が好ましいです。
さて、ここで日銀の登場です。
日銀が公定歩合を下げる場合
日銀が公定歩合を下げると、銀行の金利も下がります。
あなたなら、どうしますか。
今すぐにでも、工場を作りますよね。
だって、安い金利で借入できますので。
工場を作るのだから、従業員も雇いますよね。
従業員は給与が得られるようになるので、いろんな商品を買います。
また、銀行の金利は安くなるので、銀行に預けても、ほとんどお金が得られなくなるので、何か商品を買おうとする人も増えます。
つまり、ドンドン、商品が売れるようになります。
商品が売れると、その商品を販売している企業が儲かり、その企業の従業員の給与も上がり、ますます、商品が売れるようになります。
このように、公定歩合を下げると、景気が良くなります(あくまで教科書的な話です)。
日銀が公定歩合を引き上げる場合
景気が良くなるのはいいことだと思うかもしれませんが、景気が加熱するのは良くありません。
思い出していただきたいのが、バブルの時代です。
景気は良かったのですが、ドンドン、実体の経済とはかけ離れていき、結果、とんでもない不景気をもたらしました。
なので、ある程度、景気が良くなれば、景気を引き締める必要が出てきます。
さて、ここで、先ほどの例えを思い出してください。
あなたは経営者で、工場を作ろうと思っていました。
もし、銀行の金利が上がれば、工場を作りますか。
作りたくなくなりますよね。
先ほどの逆です。
というわけで、日銀が公定歩合を引き上げると、景気が引き締まります。
だから、日銀は景気を引き締めるために、公定歩合を引き上げるのです(あくまで教科書的な話です)。