預貯金があれば損して、借金があれば得する!?
「500万円の預貯金があるから、将来、安心」
「借金をすると、損することばかりだ」
このように考えているなら、経済の基礎知識を身につけることをお勧めします。
というのも、預貯金があれば損して、借金があれば得することもあるためです。
どういうことでしょうか。
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日本政府がお金をばら撒くと、預貯金をがある人は損して借金がある人は得する
日本政府が、「国民一人あたり、一千万円を支給する」と決めれば、どうですか。嬉しいですか。
一千万円も貰えるなら、嬉しいと思うかもしれませんが…実は、日本国民全員が喜べることではありません。
どういうことでしょうか。
たとえば、誰もが欲しがるパソコン(50万円)があったとしましょう。
50万円は高額で手が出ませんよね。
しかし、政府より、一千万円の支給があれば、どうでしょうか。
買いたいと思うのではないでしょうか。
しかし、「買いたい」と思うのは、あなただけではありません。
他の人も「買いたい」と思い、パソコン売場に人が殺到します。
そうなると、パソコンの価格はどうなりますか?
そうですね。
上がりますよね。
※)なぜ、上がるのか理解できないならば、オークションを思い出してください。買いたいと思う人が多ければ、価格は上がっていきますよね。
というわけで、政府が日本国民に、1千万円のお金を支給した後、パソコンの価格が上がって、100万円になったとします。
さて、ここで、政府から、一千万円の支給がある「前」に、「貯金50万円持っていた人」の立場に立ってみましょう。
一千万円の支給がある前は、貯金50万円を使えば、50万円のパソコンを購入することができましたよね。
しかし、一千万円が支給されれば、50万円のパソコンは100万円に値上がりします。
今までは買えていたパソコンが、一千万円が支給されることで、買えなくなってしまうのです。
何もこれはパソコンに限った話ではありません。
政府がお金をばら撒くと、あらゆる物の価格が上がるので、政府がお金をばら撒く前の預貯金の価値は相対的に落ちるのです。
というわけで、政府がお金をバラ撒くことで、お金を貯金していた人は、損するということです。
さて、今度は、50万円を借金して、50万円のパソコンを購入した直後、政府から一千万円支給された場合を考えてみましょう。
実は、このケース、政府から支給された一千万円を使うことなく、借金を完済して、しかも、得する方法があります。
どうすればいいのだと思いますか?
答えは簡単です。
一千万円の支給によってパソコンの価格が100万円に跳ね上がってから、新品のままパソコンを売ってしまえばいいのです。
そうすれば、50万円の借金がありますが、100万円が入ってきて、合計50万円得します。
というわけで、政府がお金をばら撒くと、借金がある人は得するというわけです。
話をまとめると、「政府が全国民にお金をばら撒くと、預貯金がある人は損して、借金がある人は得する」のです。
「お金をばら撒くなんて、極端な例」と思われるかもしれませんが、必ずしも極端とはいえません。
どういうことなのか、別のページで説明しています。