ファンダメンタルズ分析6〜経済成長率と潜在成長率
経済成長率とは、前年に対して、GDP(国内総生産)が何%成長したのかを表す割合のことで、潜在成長率とは、本来の力が発揮されたときの経済成長率のことです。
何を言っているのかわかりにくいと思うので、じっくり解説していきます。
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経済成長率とは?
プロ野球でも、「100打席中10本のヒット」のように、「数値」で表すこともあれば、「打率×割」のように「割合」で表すこともありますよね。
それと同じです。
GDPも、数値だけではなく、割合で表すことがあります。
GDPを割合で表すとき、「GDPの割合」とはいわず、経済成長率といいます。
…まだ経済成長率のイメージができないと思うので、具体的に経済成長率の計算をしてみましょう。
前年のGDPが200兆円で、今年のGDPが202兆円だったとします。
この場合の経済成長率を計算してみましょう。
経済成長率とは、前年に対して、GDP(国内総生産)が何%成長したのかを表す割合のことでしたね。
数学が得意なら、この定義を見ただけでパパパッっと計算できるでしょうが、なんか、ややこしいのではないでしょうか。
少しでも、ややこしいと思ったら、「日常生活」を思い出しましょう。
というわけで、日常生活でよく見かける「千円の商品が30%の割引」を例にして考えてみます。
さて、「割引」が意味するのは、以下ですよね。
1.定価がついていた
2.定価から割引をした
3.その結果、割引後の価格になった
というわけで、「千円の商品が30%の割引」を考えてみましょう。
すると、以下になりますね。
1.定価千円
2.定価から30%割引した
3.その結果、割引後の価格になった
さて、2はいくらですか。
千円の30%なので、「1000円×30%=300円」ですよね。
だから、3は700円になります。
さて、経済成長率に話を戻します。
経済成長率とは、前年に対して、GDP(国内総生産)が何%成長したのかでした。
これを先ほどの1〜3のように表すと、どうなると思いますか。
そうですね。以下ですよね。
1.前年のGDP
2.前年よりGDPが何%か成長した→「何%」の部分が経済成長率
3.その結果が、今年のGDP
前年のGDPは200兆円で、今年のGDPは202兆円なので、以下ですよね。
1.前年のGDP200兆円
2.前年よりGDPが何%か成長した
3.今年のGDP202兆円
2は、どうやって求めればいいのでしょうか。
以下のようにすれば、わかるのではないでしょうか。
1.前年のGDP200兆円
2.前年よりGDPが何%か成長した(数値で表すと2兆円、成長した)
※)200兆円が202兆円に変化した、すなわち「202兆円−200兆円=2兆円」だけ変化しているので、
3.今年のGDP202兆円
200兆円のうち2兆円が成長したわけなので、「2÷200×100=1%」になります。
というわけで、経済成長率は1%になります。
潜在成長率とは?
「オレ、本気出したら、すげーから」
まさしく、潜在成長率とは、その言葉と同じです。
潜在成長率とは、その国が本来持っている力が発揮されたときの経済成長率のことです。